言いたいことも言えないこんな世の中じゃ

言いたいことを言いたいように言うブログです。

阪急電車

せっかくパソコン開いたので書いておく。

 

少し前に「阪急電車」という小説を読みまして、ついでにその小説を原作にした映画を見ました。
どちらも面白かったんですが、その根本的なテーマが違うように感じたのでその話。

 

小説のほうはオムニバス形式で、阪急電車の利用者の人生を垣間見るような雰囲気の強い印象でした。
特別強いメッセージ性やテーマ設定はあまり感じなくて(もちろん有川先生的には何かしらあるとは思うんですけどね)わりとさらっと読める感じで、気付いたらページをめくってしまうような小説でした。
登場人物としては、個人的には翔子さんが好きでした。ああいう強い女性は好きです。
すかっとしていいですよね~~いいぞもっとやれ!っていう。
それぞれが独立した話でありながら、端々につながりがあって全体を通して一つのお話ともいえるような作り方は、伊坂幸太郎にも少し通ずるものがあるように思いました(私、伊坂ニストなんです。笑)
あと、最初の征志のお話、結構好きでした。
ああいう出会い方って、現実世界ではそうそう起こり得ないことだと思うんですけど、小説の中だと夢があっていいなぁというか、ありそうでなさそう、みたいな展開はドキドキして楽しいなぁって。
あれこそまさに運命っていうんだろうなぁ。
そういう意味では、「阪急電車」で描かれる人と人の出会いはどこか運命めいているようにも感じますね。
圭一とゴンちゃんの出会いも運命っぽい。
素敵だなぁ。

 

そんな感じでさらっとライトに読めたのが小説だったんですが、映画のほうはもう少し重いテーマを軸にしているように感じました。
圭一とゴンちゃんの人物紹介パートで特に感じたんですが、「“その他大勢”からはみ出した人たちの物語」という描き方をしているのかなぁ、と。
少し社会とか集団とか、そういったところからはみ出した人たち、という切り口で描いているというか。
だから征志のエピソードが外されたのかな、って。彼らは“普通の人”だったから。
翔子さんは結婚間近の男を寝取られたという意味で普通ではないし、圭一とゴンちゃんは大学デビューに失敗してまわりの学生に馴染めないという感をすごく強くして描かれていたし。
他の、ミサちゃんとか、えっちゃんとかは割と普通の子だったけど、“普通”とは少し違う悩みを抱えているという感じで描かれていて。
だから作品に流れる空気が小説と映画はだいぶ違うように感じました。
まぁそれはそれとして、映画は映画で面白かったです。
何よりキャスティングがすごく良かった。
みんなイメージととても近かったし、実力のある人たちが揃っていたから。
ちょっと…圭一のビジュアルは違うんじゃねーかと思ったけど。笑。

 

別にどっちがどうとかはさっぱりないんですけど、これも小説から入るか映画から入るかで全然印象の違うタイプの作品だなぁって思いました。
どっちが好きかは好みかなぁ。
私は小説のほうが俄然好きです。
変にテーマがないほうが小説は好き。
だから伊坂作品が好きなのかなぁ。彼はあんまりテーマを明確に描かず、読み手に任せるようなところがあるので楽しいなぁって思います。
あんまり難しいこと考えずにただただ活字を追うのが好き。

 

そんなわけで「阪急電車」の感想でした!
有川作品はあと植物図鑑しか読んだことないですが、あっちはだいぶ糖度が高くて恥ずかしかったけどこちらはそうでもないので、植物図鑑ダメだった人でも読めるはず!